安全衛生管理の際、見逃していませんか?
同一事業場で複数回の労災事故が発生しているという事業所の皆様、事業主として最大の努力をしていると思っていても次の様な事項が
見逃されている事もありますので、労務災害の発生をなくす為にもう一度点検されてはいかがでしょうか。
①6カ月毎の有機溶剤健康診断実施
②有資格者名簿の整備
(有資格者とは、衛生管理者、作業主任者(有機溶剤、特定化学物質等)、フォークリフト運転技能、移動式クレーン等)
③移動式クレーンやフォークリフト、プレス機の定期・特定自主検査
④作業環境測定の実施
⑤使用する有機溶剤のSDS(危険有害性情報を記載した文書)整備
⑥検定品保護具(防塵マスク、防毒マスク)着用
⑦有機溶剤等の作業心得表示
※有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。様々な職場で、塗装や加工の洗浄、その他印刷等の用途で幅広く使用
されています。有機溶剤は通常、液体の状態ですが、揮発性が高いため、蒸気となって呼吸により人体に吸収されやすく、また油脂に溶ける
性質があることから皮膚からも吸収されます。有機溶剤を吸入すると、急性中毒を起こすことがあります。
急性中毒の症状としては、有機溶剤の麻酔作用により意識障害が発症し、重症になると呼吸不全・呼吸麻酔のため死に至ることがあります。
また、低濃度の蒸気を長期間にわたって吸入した場合、慢性中毒になることもあります。「疲れやすい」「だるい」「頭が痛い」「めまいがする」
といった症状が出ます。
⑧局所排気装置設置
以上の項目について労働基準監督署からの指摘・指導を受けてから改善するものではありません。いずれも法令で定められていることであるため、
すでに実施していなければなりません。そのまま放置していれば、労災の発生を防げないばかりでなく、立ち入り調査を受け、罰則の適用も受けます。
皆さんの事業所でも安全衛生管理が不十分だったり、何をどうしたらいいのか分からない等、構築・運用にお困りの際は、当法人の社会保険労務士まで
お気軽にご相談いただければと思います。