社会保険労務士法人 福島中小企業労務協会

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― 雇入れ時の対応は万全に ! ―

 長い冬も終わり、ようやく春めいてきた今日この頃ですが、春と言えば入社が増える時期でもあります。そこで今回は「雇い入れ」に関してのお話です。

従業員を雇い入れる際には、雇用契約書を作成したり、社会保険の取得手続きを取ったりと、事業所としてやらなければならないことがたくさんありますが、その中でよく漏れてしまっているのが雇入れ時の健康診断と雇入れ時等の安全衛生教育の実施です

 まず、雇入れ時の健康診断についてですが、「事業者は従業員の入社前に健康診断を受診させるか、従業員が雇入時健康診断に相当する健康診断を個別で受診し、その結果を事業者に提出しなければならない」と法律(安衛法第66条第1項、安衛則第43条)に定められておりますので、事業所としては、雇う従業員の健康状態を把握し、採用後の適正な配置や健康管理を行うことを目的にそれを実施しなければなりません。ただし、その対象は常用雇用者に限られ、短期アルバイトや週30時間未満のパート等の一部の従業員は除かれます。

 一方の雇入れ時等の安全衛生教育についても法律(安衛法第59条、安衛則第35条第1項)でその実施が義務付けられており、業務災害の発生防止等を目的にパートやアルバイト等も含め全ての従業員を対象に行うこととされております。その項目としては、

  • ①「当該業務に起因する疾病の予防」
  • ②「整理、整頓、清潔の保持」
  • ③「事故時等における応急措置及び退避」
  • ④「それら以外で当該業務に関する安全または衛生のために必要な事項等に関すること」

の以上4項目は全業種共通で、また

  • ⑤「機械や原材料等の危険性・有害性等」
  • ⑥「装置や保護具の性能等」
  • ⑦「作業手順」
  • ⑧「作業開始時点検」

の4項目に関しては、屋外産業や建設業・製造業等の工業的業種のみが必須となります。

 ともに法律で定められているこれらを実施しないまま従業員を雇い入れ、その後になって従業員が重大な疾病に罹患したり、仕事中にケガをしたりしたら大変なことになりますので、どちらも漏れることなくしっかり行っていただきたいと思います。

 以上に関し、何かご不明な点やご心配な点等があれば、いつでもお気軽に当協会の担当社労士までご相談ください。